こちらの記事では(2019年9月18日)に発売された

イノサンRougeの最新話『82話』のネタバレや感想、考察

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イノサンRougeの最新話『82話』のネタバレ

王妃の処刑

処刑当日。

王妃は最悪の日を最悪の体調で迎えていました。

 

現在でいう子宮がん系統の婦人病にかかっていたマリー。

 

容赦なく冷える不衛生な牢獄ではことさら出血が激しく、

もしかするとギロチンにかけられるまでもなく

死が迫っていたかもしれない状況でした。

 

憲兵達は最早、彼女を女性とも王族とも扱いません。

ただじっと監視するだけ。

 

そのぶしつけな目から牢番のロザリーが必死に庇い

マリーの服を着替えさせました。

 

ゴミ箱すらない環境で、矜持を保ち、

壁の隙間に汚れた下着を押し込む…。

ほとんど公衆トイレのほうがマシなレベルですね。

 

マリーは死刑に当たって、

見苦しくあることを嫌いました。

 

よって髪はざんばらにされる前にロザリーに切らせ

ボブカットにしています。

 

あれだけ美しかった髪は今や真っ白ですが

それでも可憐な雰囲気は変わらないのが悲しいですね。

 

さて出血や体調にかかわらず、

マリーが着せられたのは白いドレス。

 

そもそもこれと黒いドレスしかもう、

持っていないのです。

 

かつての着道楽が、2着の粗末なドレスのみ。

 

しかもそれは「黒服=喪服」ということで

民衆を逆撫でしかねないという政治的判断から、

死に装束じみた白しか許されなかったのです。

 

麻の帽子をかぶり、2本のリボンと黒い布で

ボンネット(ひさし部分が張り出した帽子)に見立て、

ありあわせの黒い絹のストッキングにプラム色の靴。

 

粗末ながら清楚にもみえる格好で、王妃はサンソンに

両手を後ろ手に縛られます。

 

悪罵の道

王妃がひったてられるのは、

路上に待ち構えていたもの。

 

それは彼女が散々乗ってきた豪奢な馬車ではなく

ブタを運ぶような家畜運搬用の荷車と駄馬でした。

 

国を傾けて民衆を苦しめた王妃は、

ブタ以下の存在と言うことでしょうか。

 

当然人が乗るためでない荷車は、

体重をかけただけでぐらぐらします。

 

サンソンはよろめく王妃に手を貸し

荷車へと導きます。

 

かつての華やかなパリ道中がフラッシュバックします。

 

あの時は壮麗な馬車を、名馬が何頭も連なって勢いよく

街中を駆け抜けたものでした。

 

今や王妃は家畜のごとく、うなだれた駄馬に運ばれ

回りは憲兵と軍馬によって取り囲まれています。

 

頬を染めて、花々を投げかけて、婚姻を喜んでいた民衆も

今はゾンビのような風体で、罵詈雑言を浴びせかけます。

 

23年間の歓喜の声は、悪罵と呪詛に変貌しきっていたのです。

 

もう誰も彼女を名前でも、役割でも呼びません。

フランスを困窮せしめたオーストリア女」

それこそ家畜の品種のようにわめきたてるのでした。

 

すると道中、チュイルリー宮殿が見えます。

かつてマリーが夫ルイ16世や、子ども達と過ごした

思い出深い宮殿…。

 

懐かしい光景を思い出したマリーは目に涙を浮かべ

息子ルイ=シャルル、娘マリー=テレーズに

お別れを言うのでした。

 

二人のマリー

そのマリーの感慨深げな様子を悟ったサンソン。

馬車の速度を落とすべきか確認します。

 

もう彼女には思い出に耽る時間など、

数分とないのですから…。

 

しかしマリーはきっぱりと断ります。

「メルシー 結構よ 覚悟はできています」

そしてギロチンへの道を示すのでした。

 

その誇り高い態度に、サンソンは恐れ入ります。

最愛の夫を亡くしたギロチンを前にして

まったく取り乱さず、堂々と構えるその姿。

 

あろうことかマリーは処刑の執行を改めて

サンソンに頼むのでした。

 

しかしサンソンは「執行人は自分ではない」と言い出します。

 

本日の刑の執行は元プレヴォテ・ド・ロデル――

マリー=ジョセフ・サンソンが執り行う――

 

「さあここまで上がってこい、これがお前の選んだ運命だ」

マリー=ジョセフはまるでライバルでも迎えるような

宣言で、処刑台下のマリー=アントワネットを呼びます。

 

王妃マリーも(望むところよ)とその意気に答えます。

そして補助を断り、まるでベルサイユ宮殿の階段を

上がるがごとく、威厳ある態度で登っていくのでした。

 

サンソンは密かに、尊敬する王ばかりでなく、

王妃までも処刑せずに済んだことを妹に感謝します。

彼女まで手にかけたら、心は限界を迎えたでしょう

 

そして出迎える大勢の民衆。

広場を埋めつくほどの数が、

王妃の処刑を望んでいるのです。

 

しかし王妃の眼前には、その凄惨な光景はすでになく…。

 

彼女の脳裏にイメージが巻き起こります。

ギロチンのはるか上空花火が鳴り響き、

憲兵達が次々に音楽を奏で、民衆が踊るのです。

 

そしてもう一人のマリーにこうささやかれます。

「さぁ妃殿下 マリーと一緒に踊ろう」

 

その言葉に、マリー王妃は処刑人マリーとは

月夜にしか会えなかったということ。

一度彼女をひとりじめして、羨望の眼差しを

浴びたかったことを思い出すのです。

 

皮肉にも処刑台という格好の舞台で、

今その望みは叶いました。

 

2人のマリーは想像の中で、優雅に踊るのです。

(ようこそ私の舞踏会へ――!)

 

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以上がイノサンRougeの最新話『82話』のネタバレでした!

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イノサンRougeの最新話『82話』の感想、考察

サンソンの目前で、

1つの伝説が幕を閉じようとしています。

 

2人のマリーの数奇な運命も、

1つはここでおしまいです。

 

史実を大胆な脚色で盛り上げる当作品ですが、

今後は革命の熱に浮かされた人々によって

処刑の嵐となるはずです。

 

挙句処刑を叫んでいた人も処刑されるような日々…。

ギロチンがそのスピードを速めたというのは

最早常識ですが、サンソン兄妹の心労も増すことでしょう。

 

今後の暗澹たる展開に、気が重くなりますね。

ひとまずマリー=ジョセフの動向に注目です。

 

まとめ

ここまでイノサンRougeの最新話『82話』のネタバレや感想、考察をご紹介してきましたが、

いかがだったでしょうか?

 

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