こちらの記事では2019年8月18日に発売された
新約Marchenの最新話『31話』のネタバレや感想、考察を
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新約Marchenの最新話『31話』のネタバレ
月光の井戸
暗色の服に十字架の模様を散らす男が
子どもほどの大きさの人形を抱えて歩いています。
人形はきれいなドレスを着せられて、
長い髪はきれいに整えられていますが
顔はひび割れ、目は失われています。
男は月の光を受けて森の中を一人、
井戸に向かって足を進めます。
「そうだね、エリーゼ僕達の時代はもう、終わっていたんだね。」
森の中に立つ小さな教会の屋根に立つ十字架、
暗い森の中に立つ手入れのされた教会
明るい森の木の葉を受けてくすんだ教会。
男は人形を強く抱きしめ、井戸に向かって両手で抱き下ろし
「ありがとう・・・ずっと一緒に居てくれてさようなら」
人形は井戸に落ちていきました。
(ずっと君と同じ時間を生きたかった)
(然れど 摂理（かみ）は決して僕達を赦さないだろう。)
(幾つもの罪 重ねながら僕達がもとめたのは)
其れは《恩寵》（ひかり）
其れは《愛情》（ひかり）
其れは《幸福》（ひかり）
其れは《未来》（ひかり）
まぶたに映る少女の姿、
祈りをささげる修道女
いたずら好きな女の子
膝の上で本を呼んでもらう女の子
赤ん坊を抱く若い母親、
こちらへ手を伸ばしている娘、
夫と見詰め合って笑う女性。
上ってゆく太陽の日差しが男の背中から朝映えを放つ
「長すぎた夜が、明けてゆく・・・」
母と光の面影
男を後ろから呼ぶ声がする
「メル」
男は少年にもどっていた。
そこには若い母の姿が、
「愛しい、可愛い、わたしの坊や」
話しかけながらメルの頭を左手でなでる母親は
メルの言葉を遮って言葉を続けました。
「メル、あなたはここに留まってはいけないわ、行く先は選べずとも、進み続けて」
メルは母親に聞き返します
「ムッティも一緒に・・・？」
母親は悲しげに、その姿をやみに隠しながら答えました
「いいえ、私はもう自ら望んで、この童話（せかい）の魔女となった」
「だから一緒には行けないわ」
呆然として母を見つめるメル。
「・・・そんな顔をしないで、メル人は、廻り続ける」
幼い頃の記憶が目に映ります。
母の人差し指を握る赤ん坊の五本の指
母はメルを抱きしめ、
私はいつも、どんな時代のどんなあなたでも寄り添っていると伝えます。
「闇を背負うのは私で終わり、あなたは、光の中をお行きなさい。」
母の腕の中で目を強く閉じるメル、
その手は母のドレスを強く握りしめていました、
「ひかり、あったかいね・・・」
母の体のぬくもり、それこそがメルの光でした、
メルの体は光となって宙に消え
そして井戸の側には一冊の書物が残されました。
宵闇の唄
『宵闇の唄を集めて 此の墓碑に捧ぐ』
『モリもイドも 七の墓碑銘（エピタフ）となる』
その書物の表紙には
Das Märchen des Lichts & Dunkels（光と闇の童話）の文字と
七つの記号が円を作った紋章が描かれていました。
井戸はいつしか古び、教会は朽ちて打ち捨てられ
そして
『衝動は消え去り―――』
森の中の宝探し
メルは森の中で少女に語りかけました。
「あしもとに気をつけて、大丈夫？怖くないかい？」
少女は興奮気味に答えました。
「ええ！それより私、今とてもドキドキしているわ！」
「だって森は、世界はこんなにひろいんですもの！」
メルは少女に笑いかけ、手を伸ばして言葉を続けます
「じゃあ、今日は取って置きの場所を教えてあげるね。」
少女はメルの手をとって、その場所へ一緒に行くことにしました。
暗い森の中、少し開けたところに来た二人、
メルが秘密を打ち明けます。
「まえにこの近くで“これ”を見つけたんだ！」
メルの手には小さな鍵が握られていました。
両手の平にその金色の鍵を受けた少女は
うっとりと見つめながら何の鍵なのかと尋ねました。
メルの返事は意外なものでした。
「それを今から探すんだ！
鍵があるってことは、この鍵に合う鍵穴があるはずなんだ」
少女の返す言葉は少し不思議そうです
「そういうもの？」
2人は森の中を探し回りました。
木を掻き分け、枝に登り、少女は少し疲れたようす、
少女の後姿を見て、メルは心のなかで話しかけています
（ねえ、エリーゼ
君が白い鳥になるのなら、僕は大きなソラになるよ）
少女は大きな木の側で何かを見つけたようです、
ここに何かある、とメルを呼んでいます。
「きっとこれね！」
メルも嬉しそうに応えます
「よし！！鍵穴を探そう！！」
『どんな困難が訪れようとも 絶対に諦めたりはしないで』
『それを 僕と君との、新しい“約束”にして欲しい―――・・・』
二人の見つめる瞳が大きく開いて、少女はメルに話しかけました。
「何が入っているのかしら？」
メルは鍵を差し込んで開けようとしています。
『彼が鍵を開け蓋を外すまで、私たちは待たなくてはなりません
そうすればその箱の中を見ることが出来るでしょう
果たして―
箱の中のXは生きているのか？死んでいるのか？」
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以上が新約Marchenの最新話『31話』のネタバレでした！
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新約Marchenの最新話『31話』の感想と考察
月光の下で人形のエリーゼを井戸に投げ捨てるメルと
森の中で少女のエリーゼと宝を探すメル。
去ってゆく母親の言葉を最後に世界から消えたのは
メルでしょうか、それとも母親でしょうか。
メルの手を離れる人形、メルがしがみつく母親、メルと手をつなぐ少女
何度も現れる井戸と森のメタファーが
メルの深い不安と衝動を暗示しているようです。
森の中で2人が見つけたものは何だったのでしょう。
2人の運命を変えてしまいそうな箱の中の命、
いくつものメルの心を解いていく謎に満ちた物語はどこへ向かうのか。
次号の展開が待ち遠しいです。
まとめ
ここまで新約Marchenの最新話『31話』のネタバレや感想、考察をご紹介してきましたが、
いかがだったでしょうか？
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