こちらの記事では(2019年8月30日)に発売された

傘寿まり子の最新話『218話』のネタバレや感想、考察

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傘寿まり子の最新話『218話』のネタバレ

佐野と進藤。若き二人の過去

大学時代の佐野は

いろいろな人から声をかけられちやほやされていて、

それに対しても冷たい態度をとっていました。

 

そこに有馬女史が現れ

四六時中自分の作品のことだけを考えているし、

みんなそれを認めているから

何を言っても無駄だと忠告します。

 

編集者も出待ちしていて、

何とかして佐野に仕事をたのもうとしている。

 

有馬信子女史は小説研究会の紅一点で、

才色兼備、会員の誰もが彼女と口をききたがる。

 

だが彼女は何かとボクに話しかける…

つまりそういうことだと思っていた。

 

しかし有馬の三冊目の単行本の打ち合わせの帰り、

機動隊と有馬の大学の学生がデモ中にぶつかったと知った。

 

主犯格と言われている男が捕まり投獄されたころから、

有馬女史の姿が学内から消えた。

 

そして噂では有馬女史がその男の子供を妊娠していたという。

 

ショックを受ける佐野でしたが

さらに佐野の本を文学賞の候補に

挙げてた新聞社が、満場一致で進藤薫の小説を選んだのだ。

 

「これぞ新星、まさに百年に一人の逸材」

「どの思想にも偏らず、静かに読む者の感情を揺さぶる」

 

佐野は驚き、進藤の小説を読んでみると、

そこには有馬女史を思わせるような内容が。

 

進藤に会ったので、

佐野が有馬女史のことを尋ねてみると、友達だという。

 

休学中の女史とも見舞いを兼ねて会っており、

賞金も生まれた子の生活の足しにと思って書いたという。

 

佐野は進藤の話すことが腑に落ちずにいた。

 

生活の足しなんて、そんな小説を理由も、

それが文学と言えるのかも…。

 

進藤も気の毒

有馬女史は退学し、出所したリーダーと結婚したと聞いて

進藤のことを「気の毒」だと思った。

 

ある出版社のパーティーでまり子に出会い、

挨拶を交わしますが

後から到着した進藤にマスコミが殺到します。

 

進藤は派手なことが嫌いなので

めったに表に出てこないと聞いて、

佐野は「気の毒に」と思うのだ。

 

以前からそうだが、

佐野は他の人のことを「気の毒」だと思っていた。

 

芸術家ではないから理解できない

またある日のこと、

佐野は編集者に説明がないと伝わらないと言われるが、

文章の美しさを壊すと取り合わない。

 

編集者は読んでも理解できなかったと伝えると、

佐野はあきれたような顔で

あなたがある意味バカだからではないかという。

 

佐野が編集者のことをバカにするのは、

芸術家ではないから理解できない、

真の読者なら芸術の理解をしようとする。

 

あなたが理解できなくても

こんなところでボクを抑え込むのは

価値の損失だと激高した。

 

帰る途中のエスカレータで進藤の名前を見つけ、

進藤の本を読んでみるが、

どこがいいのかわからない。

 

時々目新しい表現は見られるけど、

進藤が突出して価値が高いとは思えない。

 

僕の作品を見ればわかるのに、なぜ見ない。

 

世間がいいというからそれしか見ない奴らは、

気の毒」だ。

 

森崎を出版社に紹介すると

ルポタージュの企画を依頼されたが、

とんでもないタイミングで

進藤の連載が決まりほかのページは削られ…

森崎の才能はその程度で「気の毒」だ。

 

佐野はイライラし始める。

 

またあるパーティーでまり子に会い、

出版社の人を紹介されるが

進藤のことを誉めてばかり。

 

また担当編集者と打ち合わせ、

世界観が偏っていると言われ、

あまりの佐野の頑な差に、バカでもいいからバカに添う

努力をしろと言われる…「気の毒だ」

 

世の中が自分に気づいたかと思ったら…

そんな時、佐野は新しい世界観で、

書物の装丁家の話を書き始めると、

少しずつ認められやっと世の中が気づいたと思う佐野。

 

しかしそんな時、電車の中づり広告で、

進藤が装丁家と書店業界を描く

大きく取り上げられているの目にする。

 

「装丁家」「新しい」「この発想はなかった」と進藤のことを

たたえる文字ばかりが躍っている。

 

自分の方が先に描いていたのに‥。

 

佐野は思い出していた、昔進藤に言われた

「佐野みたいな人が文学界をうごかすんだろうな」

笑顔で話していた進藤。

 

なぜあいつは、何度もボクを殺しに来るんだ…。

 

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以上が傘寿まり子の最新話『218話』のネタバレでした!

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傘寿まり子の最新話『218話』の感想と考察

佐野の闇の深さがわかるような…

コンプレックスが少しわかりました。

 

でも佐野はコンプレックスとは思っていないかもしれません。

 

自分以外の人は皆気の毒だから。

 

よくいえば自分をしっかり持っている人、

ブレない人かもしれません。

 

でも佐野のことを考えてアドバイスしてくれていることも

聞き入れません。

 

どこで自分は間違ってしまったのだろうと、

立ち止まることもしなかったようですね。

 

どんなにか生きづらかったと思います。

 

まり子と何回か会っていたこともわかりました。

 

この話は、何歳からでも

もう一度やり直すことができると思わせてくれることが多いので、

きっと佐野にもそんな機会がもたらせるのではないかと思います。

 

進藤とゆっくり話すことができるきかいがあるといいですね。

 

佐野の殻はかたそうですが。

 

何歳でも、何度でも、ダメだな、

やり直したいなと思ったらできるのだと思いたい。

 

まとめ

ここまで傘寿まり子の最新話『218話』のネタバレや感想、考察をご紹介してきましたが、

いかがだったでしょうか?

 

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