こちらの記事では(2019年9月14日)に発売された

忘却のサチコの最新話『121話』のネタバレや感想、考察

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忘却のサチコの最新話『121話』のネタバレ

家出の前後

若手編集者・サチコは、作家・有村の妻の家出理由についに気が付きました。

 

そのころ、入院先の病院では有村が思いつめた表情で、

原稿用紙を凝視しています。

 

意を決したように原稿用紙を顔の前まで持ち上げると、

両手で掴み力を入れて、

今まさに破こうとしていたのです!

 

ガラッと勢いよく病室の扉が開かれ、

「有村先生、わかりました!!」

と彼に叫ぶサチコ。

 

彼女を見つめる有村の手に握られているものに気づき、

サチコは彼の行為を止めようとします。

 

が有村は、自分の小説は妻のためにある、

「妻が戻らないんだったら、原稿を書く意味がなじゃないか!!」

と原稿を放そうとせず、サチコと綱引き状態に。

 

しかし、なんとか力業で原稿を自分の方に引き寄せたサチコは、

「先生!これです!!奥様の怒りの原因は、この小説にあるんです。

と叫びます。

 

さらに改めて、有村の妻が家出した前後の状況を思い出すように

と彼に勧めるのでした。

 

…その日、自宅の書斎で原稿に向かっていた有村。

 

妻・正美ががノックして入ってきて、

根を詰めすぎではないかと気遣いました。

 

有村も

「今回の作品は特別でな。」

と言いながら、気分転換が必要だと認めて散歩に出発…。

 

そこまでは、いつものやり取りだったのです。

 

しかし散歩から戻ると、

原稿の上には、涙の痕がある書置きが一枚。

『信じていたのに』

 

有村の妻・正美はそれきり家出してしまったのでした。

 

この新作を書き上げてこそ

病室で、有村は居なくなった妻を想って泣き崩れています。

そんな彼にサチコは、

 「やはり理由は…だとしたら…」

そう、原因が分かったとばかりのサチコの様子に、

有村も色めき立ちますが、

「すみません!!今は、申し上げられません!!」

と頭を下げます。

 

そして、今彼にできることは、

この新作を書き上げる事だけだと、改めて言うのです。

 

…そんな彼女の態度に、有村は失望してしまいます。

 

所詮、作家と編集者。

 

人の弱みに付け込んで、原稿を書き上げさせようとしている、

と怒りをあらわにします。

 

しかし、サチコは言います。

 

原稿は大事。

 

そしてそれ以上に

「作家、有村忠雄の世界が二度と世に出ず失われてしまう事です。」

 

今は納得できなくとも、

『同じ置手紙仲間』として頼むと再度頭を下げるサチコ…。

 

その彼女の様子に、ついに有村も折れて、

信じて書き上げると約束するのでした。

 

原因

有村の妻・正美の泊っている、古い日本家屋のかわべ旅館に、サチコが訪れます。

 

雨が降り、和服姿の正美が傘をさしながら出てきました。

 

雨が降る中正美にサチコは、

「家出の原因は、やはり有村先生の女性関係だったのですね。」

と確認します。

 

「それもただの浮気ではなく、真剣な恋心を抱いている相手との。」

 

言いながらサチコは、自分の黒い仕事かばんを抱きかかえ、

そこに正美が読んだ、家出原因の原稿があることを示しました。

 

これまで有村が書いた小説は、

全て正美と過ごした時間、場所をモチーフにしている。

 

そして、有村の新作『愛』は、彼の恋愛小説の集大成ともいえるものです。

 

そこには正美の知らない女性が描かれているのを、

彼女は読んでしまいました…。

 

「主人がこの主人公のモデルの女性に本気で恋しているって。」

 

そう言い、彼女は静かに涙を流します…。

 

そんな正美にサチコは、誤解だと告げ、

「この小説の主人公も…奥様、あなたなんです!!」

と詰め寄るのでした。

 

これまで何度となく浮気を繰り返していた有村でしたが、

最後の浮気と妻の家出の後で、彼はサチコに言いました。

 

もうコリゴリだ

『いままでも、これからも、私には妻しかいないよ。』

と。

 

それを示すために、新作にその気持ちを乗せては、

と勧めたのはサチコでした。

 

『まだ見ぬこれからの世界を描いてみては…』と。

 

それは、未来の正美への恋文。

 

まさしく、有村は正美に恋しているのです!

 

……原稿と共に、一つのメモを渡してサチコは去っていきました。

 

思い出の共有

病院の屋上テラスでは、

徹夜で書き上げた原稿と引き換えに、

『屋上テラスでおまちください』

と書かれたメモを渡された有村が椅子に腰かけていました。

 

執筆の疲れから居眠りをした彼が目覚めると、

既に日は傾き、

なぜか手元にはサチコに渡したはずの原稿が。

 

そして、人の気配に振り向くと、そこには正美の姿が!

 

どうしてと慌てふためく彼は、

寝起きの為かよろめいてしまいますが、

正美ががっしりと支えてくれます。

 

許されたことを知った有村が言いつのろうとするのを、

彼女は止めました。

 

「そろそろね…」

と空を見上げる正美につられて、有村も同じ方向に視線を向けます。

 

ドンとそこには大輪の花火が咲き誇りました。

 

「今日も次の新作のネタが一つできたってことで。」

 

……仲直り出来た二人は、

ビルの谷間の向こう、次々と打ちあがる花火を見つめ続けていました…。

 

一方、川原の土手に座り、一人花火を見上げるサチコ。

 

手元のスマホには、有村からの礼と、

その妻からの伝言が届いています。

 

『私の独り相撲に付き合わせてしまいごめんなさい』

 

独り相撲。

…その言葉と出来事に想いを馳せて、

素敵だったとほくそ笑むサチコは、

屋台の代表のようなタコ焼きを頬張ります。

 

「今日の花火…なんだかまぶしいな…」

 

いつか自分も誰かと忘れられない思い出をつくりたい、

と願うサチコ。

 

そして、彼女を想う男たちも、

それぞれの場所で、同じ花火を見上げていました……。

 

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以上が忘却のサチコの最新話『121話』のネタバレでした!

 

ここまで読んでいただければ、ある程度の内容はわかったかと思いますが、

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忘却のサチコの最新話『121話』の感想と考察

長年連れ添った夫婦の“新たな恋愛”の始まりを見せつけられた、

心温まる回でした。

 

さんざん浮気したからこその有村ですが、

正美という柱があってこそ、それも続けられたのを知り改心。

 

浮気を繰り返した男が最終的に妻が一番と考える流れは、

割とよくあると思いますが、

作家なればこその方法で彼女への愛を示そうとし、

勘違いされるほどの純愛を表現できたのはさすがです!

 

でも出来が良すぎて、家出されるわけですが(笑)

 

本人たちの苦しみを思うと申し訳ないのですが、

つくづく上手くできた話だな~と、笑みがこぼれます。

 

今回は人間関係の方に重きを置いたためか、

グルメのほうはタコ焼きで手をうったいます。

 

美味しそうではありますが、

ちょっとこの作品にしては貧相だったような。

 

その反面、サチコに関わる人々が、

同じ花火をそれぞれの場所で眺めている図は、

なかなか今後の展開を匂わせているようで、楽しみになりました!

 

画面にあふれる花火の描写も秀逸で、

ぜひ絵で見ることをおススメします!!

 

まとめ

ここまで忘却のサチコの最新話『121話』のネタバレや

感想、考察をご紹介してきましたが、

いかがだったでしょうか?

 

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