こちらの記事では(2019年8月26日)に発売された不死身の特攻兵の最新話『48話』のネタバレや感想、考察

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不死身の特攻兵の最新話『48話』のネタバレ

特攻へ

特攻隊である鉄心隊の三機と佐々木は、

直掩部隊(護衛機)である九機を伴って、

特攻の目標であるレイテ沖に接近していた。

 

その体調である松井の中には、

参謀長の言葉が去来している。

 

<よいか、松井中尉。

今回の出撃には万孕隊の佐々木伍長も同行させる。

ヤツは”特攻”を拒否した男だ。

未来永劫、『臆病者』として語り継がれるであろう>

 

参謀長は、佐藤を伴い、

命令と言ってもよい強い語尾で続けた。

 

<お前の為すべきは佐々木のように生きて醜態を晒すか、

死して『軍人』としてその名誉を語り継がれるか……

わかっておるな?>

 

参謀長の言葉を頭の中で巡らせながら、

松井は考える。

 

自分は佐々木とは違う、と。

 

<俺は軍にすべてを捧げた身だ。

生還という選択肢はない。残された選択肢は、どう死ぬかのみ>

 

<為すべき道は、軍人としての、死にざま>

 

佐々木、疲れた体で

寝不足と疲労によって、

ボロボロの状態の佐々木は、

ぼんやりとした状態で飛行していた。

 

(身体が思い……第一回目と同じだ……)

 

佐々木には、死が自分を呼んでいるような気さえした。

 

佐々木の目に見えるのは無数の手。手。手。

 

それらは佐々木の思う亡者の具現であり、

死のイメージそのものだ。

 

「手」たちは佐々木の五体を掴み、

地の底へと引きずり落そうとする。

 

そして亡者はいつも、

口もないのに囁くのだ。

 

<早く来い>

<特攻しろ>

<死ね>

<臆病者め>

 

と。

 

直掩部隊が上昇をはじめる。

それは、レイテ沖に辿り着いた合図だった。

 

亡者たちは囁く。

 

<あがれ、お前も一緒に>

<体当たりで船を沈めろ>

 

無数の死は、今まさに佐々木を引きずり込もうとしていた。

 

「はは、行くしかないよね。わかってるよ」

 

佐々木は、霞がかった瞳で自嘲気味に呟く。

拳を握りしめる佐々木。

 

(やってやるさ、だから……)

 

「しっかりしろッ自分!」

 

佐々木が握りしめた拳を振りぬく。

その矛先は、自分の顔面だった。

 

耳の中で耳鳴りがとどろく。

力加減を間違えて、頭がくらくらとした。

 

だが、そのおかげで

亡者たちの声はもう聞こえなくなった。

 

「これで目が覚めたぞ。

恐怖なんかに負けてたまるか」

 

拳と顔の痛みが、

佐々木を現実に引き戻したのである。

 

「誰がなんと言おうと、

僕は爆弾を落とすんだ!

 

強く殴りすぎたせいで

鼻血が垂れてきてしまったが、

そう言い放った佐々木の瞳には、

強い意志がこもっていた。

 

レイテ沖到着

レイテ沖に到達した松井は、

眼前に広がる、米軍の艦船に畏怖を覚えた。

 

その数は空の上からでもわかるほど多かったからだ。

 

「あの無数の点が……すべて米軍の艦船だというのか!」

 

松井の顔から汗が噴き出る。

自分たちの特攻は無駄なのではないか。

そんな疑念が頭をよぎった。

 

(俺たちが船を一隻沈めたところで、

本当に戦況がひっくり返せるものなのか……!?)

 

操縦かんを持つ腕が震えたが、

松井の背中を押したのは、富永司令の言葉だった。

 

<諸子の後からは第四航空軍の飛行機が全部続く!

最後の一機にはこの富永が乗って――>

 

(そうだ、信じるしかない!

司令官殿も行くとおっしゃったのだ!!)

 

死への恐怖を、松井は無理矢理に押しとどめる。

まるで自分の命綱を切断するように、

松井は喉をからさんばかりに絶叫した。

 

「行くぞお前たち!!俺に続けェ!!!」

 

「戦艦を狙え!その命を無駄にするな!!」

 

松井の叫び声と共に、

鉄心隊は敵戦艦へと突っ込む。

 

もちろん米軍もそのままでいるわけがなく、

彼らは自らへと突っ込んでくる飛行機を発見すると、

大砲を向けて叫んだ。

 

「Fire!! Fire!!(撃て!撃て!!)」

「怯むな!突っ込めえええ!」

 

狂乱の怒号と共に、

戦闘機は下へ、下へと急降下していく。

 

その様は、

さながら地獄へ沈み込むようだった。

 

(直掩の者たちよ……俺たちの死にざまを、見届けてくれッッ!)

 

迫りくる弾幕を避け、

松井は鬼気迫る表情で、ただ敵戦艦を見据える。

 

その胸には、様々な想いが去来していた。

 

(そして、日本へ戻ったら、国のみんなに伝えてくれッッ)

 

(国のため、皆を守るため、

命を投げうって戦った者たちがいたということを)

 

(生きとし生ける者たちよ、どうか忘れないでくれ…

俺たちの死は、決して無駄ではなかったのだとッ……!

 

だが、松井機はあと一歩のところで被弾する。

 

火花をふきあげながら、空中分解する松井機。

松井自身は、空に投げされることになった。

 

(ああ、これが俺の死に様か。

空のベッドで雲の毛布に包まれ、この松井は死ぬのだ……)

 

その瞬間、

松井の目に入ってくるものがあった。

 

落下し、死に瀕した状態でも、

彼は自然と、その機影に敬礼をする。

 

(直掩の者か……

どうか皆に伝えてくれ、この松井は勇敢に戦って逝ったのだと

 

しかし、近づくに従って、

松井は違和感を覚える。

 

その機影には「ツノ」がついており、

直掩の機体ではなかったからだ。

 

凄まじい速度で急降下していったのは佐々木である。

 

(お前は、お前は臆病者ではなかったのか!?

なぜおまえは、なぜ笑っているんだ!佐々木ッッ!)

 

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以上が不死身の特攻兵の最新話『48話』のネタバレでした!

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不死身の特攻兵の最新話『48話』の感想と考察

ついに佐々木が6度目の特攻に行きましたね。

 

今回は佐々木の覚悟と、

松井の覚悟がメインになっていたと思います。

 

「誇りのために死ぬ」松井と、

「何があっても生きる」佐々木。

 

彼らの表情と態度が、

まるで正反対だったので、

ビジュアル的にもとても感動しました。

 

今後ですが、

ここを切り抜けても

佐々木は参謀長との確執が残っていますし、

史実通りなら7回目の出撃も待っています。

 

どうなるのか、

続きも目が離せませんね!

 

まとめ

ここまで不死身の特攻兵の最新話『48話』のネタバレや感想、考察をご紹介してきましたが、

いかがだったでしょうか?

 

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