こちらの記事では(2019年8月23日)に発売された

魔女は三百路からの最新話『33話』のネタバレや感想、考察

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魔女は三百路からの最新話『33話』のネタバレ

泣きたい気分

黒川御影(くろかわみかげ)、彼女は300年生きた魔女。

 

これまで何十人もの男と出逢い、

別れてきた彼女は、

そのたびに涙を流してきました。

 

そんな彼女も今は立派なおひとりさまの身です。

 

共に暮らすのは、使い魔の黒猫・ノワールだけでした。

 

「はあ~~~~」

と黒川は今日一日の疲れを吐き出すように長い溜息をつきました。

 

今日は散々な一日だったのです。

 

朝からスマホを忘れ、電車では痴漢に遭うし、会社ではクレームだらけ。

 

部長のセクハラもウザイという……。

 

さらに、意中の人・小林にもしばらく会えずにいます。

 

彼は今、新しい部署で仕事に打ち込んでいるのでした。

 

自分もまた魔女バレが気になって、

なんとなく小林とは違う道を歩き始めたように感じてしまいます。

 

ソファーに倒れこみ、今度は短い溜息を吐きながら

(なんだか泣きたい気分)と心の中でつぶやいていました。

 

が、黒川はいつまで経っても泣けない自分に気が付きます…。

 

後日、彼女は”涙活イベント”に参加していました。

 

「思いっきり泣いてスッキリしてください」

司会の男性が言います。

 

泣ける映画やお話で、

意識的に泣いてストレスを解消するために、

彼女はここにやってきたのです。

 

周りの参加者はお話が始まる前に、

さっそくハンカチを握りしめる人ばかり…。

 

黒川は自分の準備不足を悔います。

 

そしてお話はまだ始まったばかりだと言うのに、

周りはすでに泣き始めていました…。

 

脳内で結末を想像しているのでしょう。

 

(甘かったわ…心構えがまったくできてない)

ついには大声で泣きだす人もでてきました。

 

黒川は周りが泣くほど覚めていくのを感じます。

(人前で泣くのって案外恥ずかしいわね)

 

結局泣けないまま帰宅する黒川でした。

 

泣いた思い出は男のため

「やっぱり涙活もおひとりさまが一番よね!」

 

ソファーに座り、

彼女は自分の人生で泣いた思い出を漁り始めました。

 

(やっぱり、男か……)

目を閉じればいくらでも泣かされた記憶がよみがえります。

 

浮気に借金……男たちの不実を数え始め

「違~~~う!!私は泣かされたいんじゃなの!泣きたいのよ!!

と我に返る黒川でした。

 

悔し涙じゃスッキリしません。

 

考えた末、300年生きてきて避けられない涙を思い返します。

 

それは「別れ…よねぇ」と黒川。

 

寿命はどうしようもなく、

ノワールも使い魔のため普通の猫よりは長生きでも、

いつかは自分より先に逝ってしまいます

 

みつめられたノワールは、

ヒマなら遊べという視線を送ってきますが、

そんなことを思っていたらジワリと涙が浮かんできました。

 

「ノワール~~~!!

と抱き着こうとした黒川をノワールは器用に避けます。

 

そして「キエエエエエ」と奇声を発して彼女の手を引っ掻きました。

 

お陰で痛みのため涙は出ましたが、

そんな涙が欲しかったのではありません……。

 

しかし、なんとなく涙の出し方が少しわかってきた黒川でした。

 

(別れはどこにでもある。例えばこの割り箸。)

 

彼女はなぜか男の子二人の擬人化で想像してみました。

 

ずっと身を寄せ合って生きてきたのに、突然の別れが訪れる。

 

(箸としては避けられない運命……!)

 

そんなことを妄想しながら泣けそうな気がしてきた黒川は、

そのままソファに横になり、考えを深めていきました。

 

(別れてっていうとやっぱり小林くんの事が浮かんじゃうわよね)

前世での因縁もある相手の小林……。

 

(まさかとは思うけどまた早死になんてされたら……)

と黒川は危惧します。

 

しかし、結局彼女は泣けずじまいでした。

 

一人で取り残される悲しみ

「黒川さん!

小林は黒川を見つけると駆け寄ってきました。

 

「最近連絡とれなくてすみません」と謝る小林。

 

仕事が忙しいのは黒川もわかっていたので、

責めることは出来ません。

 

黒川は久しぶりに会った小林に尋ねます。

 

「愛する人に先立たれるのと、愛する人を残して死ぬのと、どっちが辛いと思う…?」

「そうですね悲しみか、心残りか…。」

「どっちも違った辛さがありそうな」

そう答える小林。

 

「できたら2人で一緒に寿命を全う出来たらいいんでしょうけど」

そう続けました。

 

黒川は想像します。

 

一緒と言っても、彼女の寿命はまだ何百年も残っています。

 

でも、結婚して人間に戻れば寿命は人間に近くなれるのです。

 

そうすれば一緒に年をとって、死ぬこともかないます。

 

それは、もう一人で取り残されることが無くなるということ……。

 

…ふいに、涙がこぼれてきました…。

 

(何の涙なの?)

それは自分でも理解できない涙でした…。

 

「やーね。年を取るとよくわからないことで泣けちゃって…」

おどけた黒川に、小林が問いかけます。

 

「気になっていたんですけど…黒川さんて…一体おいくつ何ですか?

黒川はその問いには答えず、咳ばらいを一つ。

 

「なんか頭痛が…」小林が痛みを訴えます。

 

黒川は呪いがさく裂してしまいました……。

 

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以上が魔女は三百路からの最新話『33話』のネタバレでした!

 

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魔女は三百路からの最新話『33話』の感想と考察

300年。

 

1人で生きて、大事な人に置いて行かれる悲しみは、

それを体験した人でなければ分からないものがあります。

 

普通の人間はたった一人失うだけでも、

尋常ではない苦しみに墜とされるのに、

その何倍も繰り返すのです。

 

それでも正気で生きていく魔女たちの精神力には感服します。

 

でも、悲しみはやはりそのたびに同じ重さで訪れるようですね。

 

ラストの方で黒川が

『一人で取り残されることがなくなる』と思い涙しますが、

孤独の深さはいかばかりでしょうか……。

 

因縁のある小林と、いつか結婚することがあるのかないのか。

 

まだ二人の仲はあまり進展していませんが、

今回の黒川の様子をみせられると、

結婚して人間に戻った方が良いのではないかと思ってしまいます。

 

それにしても、小林は恐れを知らない青年ですね…。

 

妙齢の女性に年を尋ねるとは。

 

頭痛くらいで済んで良かった、良かった。

 

今回のお笑いポイントは、二つ。

 

ノワールからの、痛けりゃ泣くでしょ?ばりの攻撃と、

なぜか割り箸擬人化シーンです。

 

特に割り箸擬人化=少年二人は、

黒川はいつから腐女子になったのだろうと思いました。

 

300年も生きていると、

変な所に感化されるのかもしれません(笑)

 

ともかく、

いつまでもおひとり様を気取ってないで、

もう少し素直になった方がよさそうですよ、黒川さん。

 

まとめ

ここまで魔女は三百路からの最新話『33話』のネタバレや

感想、考察をご紹介してきましたが、

いかがだったでしょうか?

 

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