こちらの記事では(2019年9月9日)に発売された

パラレルパラダイスの最新話『94話』のネタバレや感想、考察

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パラレルパラダイスの最新話『94話』のネタバレ

おれがいるんだぞ

陽太の部屋にやってきたキアが帰ろうとするのを呼び止め、

彼が言います。

「お前は間違っている」

 

仲間のナゴミが命を投げ出して街を守ったとしても、

キアまで死ぬ必要はない。

 

死んだナゴミにしても、

一日だけ街が長らえるよりも、

その一日で、

他の誰も死なずに済む方法をみつけて欲しかったのではないか。

 

そう陽太は思っていました。

 

それはキアも認めますが、

それでも友であったナゴミが救った街を、

自分の命であと一日長らえてくれるだけで良いのだと、

キアは言うのです。

 

…そんな風に、この世界にはびこる死生観に、

陽太はずっと違和感を持ってきました。

 

恐らくは、ガーディアンがそう教育されたためなのでしょう。

 

ナゴミが死んだ時とは状況が違うから心配するなという陽太に、

キアは何が違うのかと問います。

 

「このおれがいるんだぞ」と不敵に笑う陽太。

 

「おれが守るよ。何があっても。」

と請け負う陽太は、

それゆえにキアは明日も生きていると告げると、

彼女も陽太を信じると言うのです。

 

だから死ぬ前に交尾しようとする必要もないと、

陽太は告げます。

 

相変わらず強がるキアは自分の欲望に知らぬふりを装いますが、

彼女の歩いた後には愛液がこぼれ、

まるでナメクジが歩いた跡のようになっていました…。

 

それでも、己の欲望を否定して、

フラフラと立ち去るキアなのでした。

 

髪飾りの玉の役目

ミサキは、自室のバルコニーでほんのわずかな街明かりを頼りに、

ナイフの手入れ中でした。

 

刃物を砥石で削る静かな音が、石づくりの壁に反響しています。

 

研ぎ具合を確認しながら慎重に調整している彼女の耳に、

コンコンとドアをノックする音が聞こえてきました。

 

夜も更けたこんな時間に何者が訪れたのかとミサキがドアを開けると、

そこには陽太が立っていたのです。

 

突然の予想外の訪問者に、

それまで警戒していたミサキの表情はにわかにほころび、紅潮しました。

 

「ヨータ?!」

しかしすぐに我に返り、

己の変化を陽太に見て取られるのを恥じた彼女は、

ガバッと片腕で顔を隠します。

 

そのまま陽太に、

なぜ非常識なこんな時間に自分を尋ねてきたのかと問いかけます。

 

「交尾か?」

とつい期待が漏れているミサキの言葉に動揺もせず、

陽太は違うと答え、

「ガーディアンのことについて聞きたいんだ」

と訪問の目的を告げました。

 

「ひょっとしておまえたちガーディアンは、」

「街を守るためなら命を投げ出せと教えられているんじゃないか?」

そうミサキに質問する陽太。

 

それに対し彼女は、

真剣な話の内容と知ると、

先ほどまでの期待を押し隠しながら部屋に入れと促します。

 

促されて入った陽太は、彼女の部屋の破壊ぶりに驚きます。

 

魔女・ガリアがまだ人間のふりをしていた時にケガをした際に、

自分の部屋に招いて手当てした際に、

正体を現したガリアに壊されたのが原因でした。

 

部屋を変えればいいのにと言う陽太にミサキは

「ここでいい」と頓着しません。

 

そのようなこの世界の住人たちの

『壊れたところは壊れっぱなし』という感性は、

すぐに命を投げ出すような死生観とどこか相通ずるものを感じます。

 

ふと見ると、

テーブルの正面に座るミサキの髪に

いつもしている玉形の飾りがないことに陽太は気づきます。

 

あの飾りはガーディアンの印以上に、

実用的な側面があるとミサキは教えてくれました。

 

彼女たちが死を迎える崩月が近くなると、

微量の匂いが発せられて、それに反応して玉が割れる。

 

ただし、それは本当に寸前にしか反応しないものなのです。

 

…陽太は話題を変えました。

 

「どの街のガーディアンも、

このミースの街で修行するんだったよな?」

 

ガーディアンに押し付けられた死生観

ミースの街の離れに武道場があり、

そこでアルスレイヤの街から派遣された師範が、

ガーディアンの心得を叩き込むと言います。

 

「ガーディアンはその命を使って、街を守るために存在するのだと。」

ミサキはきっぱりと言いました。

 

それに対して陽太が言います。

「そんな考えは間違っている。」

 

しかしミサキは、

陽太には自分たちが生き急いでいるように見えるかもしれないが、

そんなことはないと否定します。

「出来るだけ長く生きたいに決まっている。」

 

それでも、街のために己の命を捨てると口にするのは、

相当の覚悟があるのだと。

 

それを聞いて陽太は悩み始めていました。

 

この世界に居てさえ、

自分はまだ元の世界のように平和ボケしているのか?

 

ただの刷り込みのように、命が大事と繰り返しているのか?

 

さきほど自分の部屋に訪ねてきたキアに、

間違っていると言ってしまったのは

軽はずみだったのかもしれない…と。

 

……それでも、と陽太は思うのです。

 

「間違ってないよ。でも俺はただ……、

ミサキに死んでほしくないだけなんだ。」

 

きゅん、とミサキの心がその言葉に踊ります。

 

それに伴って、彼女の中からあふれ出すものが……。

 

陽太は部屋に流れ始めた肉のいい匂いに反応して、

腹が鳴るのを覚えました。

 

「なにか食べ物あるのか?」

 

そう訊ねる陽太ですが、部屋には何もありません。

 

……『いい肉の匂い』の正体……。

 

それは陽太の言葉にときめいてしまったミサキから

とめどなくあふれ出した彼女特有の愛液の匂いだったのです…‥。

 

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以上がパラレルパラダイスの最新話『94話』のネタバレでした!

 

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パラレルパラダイスの最新話『94話』の感想と考察

今回は、この物語世界の死生観に大きく比重が置かれていました

 

陽太の元いた世界とちがい、

簡単に命がなくなるこの世界では仕方がないこととはいえ、

あまりにもガーディアンの命が軽い様子に違和感があった陽太

 

予想した通り、彼女たちがガーディアンになる際に、

訓練で命を投げ出す思考回路に矯正されているのが解りました。

 

納得しつつも納得できない彼は、

恐らく今後、訓練を担っている師範に掛け合いに行くと思われます。

少し先になるでしょうが今度はそこでまた、

彼の考え方と彼の存在に篭絡される師範がみれるのではないか、

と今から楽しみです♪

 

ところで、今回も愛液にあふれた…、もとい、愛にあふれた回でした()

キアとミサキそれぞれが、

世界のただ一人の男である陽太に魅かれてしまうのは当然ですが、

彼の言動や行動こそが彼女たちを惹きつけているのが解ります。

 

これはもとの世界に戻っても、

天然のスケコマシと周りに言われてしまいそうで、

それはそれでみたくなります♪

 

…まだガリアとの戦闘を開始するには情報が足りない感じなので、

次週も情報収集に回となりそうです…。

 

まとめ

ここまでパラレルパラダイスの最新話『94話』のネタバレや感想、考察をご紹介してきましたが、

いかがだったでしょうか?

 

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