こちらの記事では(2019年9月2日)に発売された

不死身の特攻兵の最新話『49話』のネタバレや感想、考察

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不死身の特攻兵の最新話『49話』のネタバレ

佐々木の覚悟

「鉄心隊、一番機から三番機! 突入開始ッ!」

「四番機はどうしたっ!?」

「佐々木伍長はまだ動きがありません!

 

佐々木は直掩部隊に見張られながら、

まだ「突入」を開始できずにいました。

 

直掩部隊の「はやぶさ」に乗った兵士たちが、

佐々木を嗤う。

 

「ほら見ろ!俺の言った通りだ!

やっぱりあいつは死ぬのが怖いんだよ!!」

 

一方の佐々木は、

飛ぶのもままならない飛行機の中、

ぼんやりと特攻をしかける鉄心隊の背中を眺めていた。

 

(鉄心のみんなは行った……命を懸けて

 

(なのに、こんな身体だから出来ませんだなんて言えるわけがない)

 

ボロボロの操縦桿。

ボロボロの機体。

ずっと飛びっぱなしの機体に、佐々木は哀れみさえ覚えた。

 

(ずっと飛びっぱなしでごめんよ……)

 

生きるも地獄、死ぬも地獄の特攻。

それでも、佐々木の目は死んでいなかった。

 

頬を二度叩く。

 

(わかってる、僕は戦うよ。

死んでいった仲間のためにも)

 

誰に言うとでもなく、

佐々木は強い意志を持って眼前を見据える。

 

佐々木、生きるための突入

「よ、四番機……旋回をしています!」

「おいおい、引き返すつもりかぁ?」

 

旋回をはじめる佐々木機。

もちろん、佐々木は逃げるつもりはなかった。

彼は、狙うべき船を見定めていたのだ。

 

そんな佐々木の目に、

大型の船が飛び込んでくる。

 

(あの船が一番大きい……

侵入経路も、背後を取れる

 

(――決めた! あの船を沈める!!)

 

ゴーグルをつけ、

佐々木は大型の船に狙いを定める。

 

彼は胸の中で、

今までの訓練を思い出していた。

 

(大丈夫!僕になら出来る!

この日のために、何度も訓練を重ねてきたんだ!

 

一瞬目を閉じ、佐々木はかつてのことを思い出す。

時空を超えて、岩本大尉に言われたことを。

 

「佐々木伍長! 教官の岩本だ。

今から言うことを肝に銘じておけ。

軍の飛行訓練を民間と同じだとなめていたら、

命を落とすぞ!」

 

「実戦だと思って訓練を行え!

そして、訓練だと思って実践をしろ!!」

 

<決して恐れず、常に力を正確に発揮させる――

それが真の”操縦士”である!!>

 

「わかりました、岩本大尉殿」

 

そう呟き、佐々木は急降下を開始する。

 

時を同じくして、鉄心隊が被弾・崩壊。

直掩部隊の桜井が、佐々木を見張るために同じく急降下した。

 

佐々木の戦いは今からはじまるのだ。

 

急降下

「安全装置、解除」

 

レバーを引き、安全装置を解除。

佐々木はすさまじい重力を受けながらも、爆弾を露出させる。

 

「行きますよ、奥原さん

 

佐々木は1人ではなかった。

佐々木の目には、確かに、かつての仲間たちが見えていた。

 

「ああ、しっかりやれよ、佐々木!」

 

奥原が背中で、見守っている気がする。

それを思うと、佐々木はずっと勇敢に、そして冷静になれた。

 

佐々木の機体が、アメリカ軍に発見される。

高射砲が、佐々木に砲身を向けた。

 

青い空に炸裂する高射砲。

 

瞬間、佐々木の視界と機体が揺れた。

 

(被弾したっ!? 墜ちるのか!?)

 

自分が震えているのか、

それとも機体が揺れているのかもわからない。

 

佐々木の頭はパニック寸前だった。

 

しかし、そんな状態の佐々木を、

奥原が――佐々木の幻覚か、それとも死者の霊魂かはわからない――

が導く。

 

「落ち着け佐々木! 田中曹長殿の言葉を思い出せ!」

 

記憶の糸をたぐりよせる佐々木。

田中曹長の言葉が、今その場でいるかのように耳に響く。

 

「いいか佐々木、もし高射砲に狙われたら……

機体の前方で炸裂した場合は当たるが、後方の時は

絶対に当たらない! だから、怯むな!」

「わかりました! このまま突き進みます!!」

 

佐々木の声にこたえるように、

仲間たちが――今や、空の向こうにいった仲間たちが――

佐々木に次々に声をかける。

 

「爆発は全部後方だ! 機体にも損傷なし!」

「高度1000mからの急降下、進入角度は50度!」

「訓練と同じ条件だ! あとは爆発を当てるだけだぞ、佐々木!」

 

それが幻聴なのか、

霊魂の声なのかはわからない。

 

だが、佐々木にとっては、これ以上ないほどの力となった。

 

「みんな……ありがとうございます!! このままいきます!!」

 

残り500m。

飛行機であれば、敵とは目と鼻の先だ。

 

「爆弾投下用意!!」

「はい!  爆弾投下用意!

 

仲間たちの声に従って、佐々木は鋼索に手をかける。

 

「相手は当てられまいと回避運動をしてるからな! 外すんじゃねえぞ!」

「気をつけろ。爆弾が投下されるのは鋼索を引いた2秒後だ」

「爆弾を落としたら500キロ軽くなる。落とした瞬間の衝撃を忘れるなよ!」

 

角度は万全。

敵の攻撃も被弾なし。

 

あとは鋼索を引くだけだった。

しかし、佐々木は計器類を見たとき、ひとつのミスに気が付く。

 

現在の速度は500km

明かな速度超過だったのだ。

 

(しまった! 高射砲に気を取られて加速しすぎた!)

 

しかし、現在の状態では減速用のレバーを引くことができない。

両腕がふさがっているからだ。

 

(どうすれば……)

 

絶望的な状況だ。

速度超過の状態で爆弾を当てるのは、並大抵のことではない。

 

佐々木の全身に、冷や汗が滲んだ。

 

「大丈夫だ、佐々木」

 

声がする。

その声は、懐かしくも、厳格な声だった。

 

「お前ならできる。やってみろ」

 

佐々木の肩に手を置いてくれたのは、

他でもない、岩本大尉だった。

 

「……はい、岩本大尉殿」

 

佐々木は鋼索を引く。

全ては、命を引き継ぐために。

 

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以上が不死身の特攻兵の最新話『49話』のネタバレでした!

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不死身の特攻兵の最新話『49話』の感想と考察

とても心に「くる」回でしたね。

 

かつて散っていた仲間たちが出てくる回は

たくさんありましたが、

今回は特によいシーンでした。

 

特に岩本大尉が背中を押してくれたところは、

本当に感動して目じりが熱くなってしまいました!

 

次の回ですが、

恐らく佐々木はしっかりと成功して

参謀長の元へと戻るのでしょう。

 

ただ、軍は佐々木を謀殺したがっていますから、

どうやってその魔の手をかいくぐるのか、

楽しみですね。

 

読者の気持ちとしては

参謀長や佐藤になんらかの天罰があるといいのですが……

どうなるかはわかりませんね!

 

まとめ

ここまで不死身の特攻兵の最新話『49話』のネタバレや感想、考察をご紹介してきましたが、

いかがだったでしょうか?

 

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